誰に聞くかによっても違うかもしれませんが、FTXは2019年5月に創業しました。なので、5月はFTXのアニバーサリーマンス(誕生月)と呼んでいます。
仮想通貨業界に入ってからの時間がまだ高校や大学時代よりも短いことに驚きます。2017年末にAlameda Researchを創業してから日々が非常に充実しております。これまでの人生では、4年間はただの1フェイズでしかなく、目標達成のために必要なことをして、たいていはその目標を忘れてしまうことが多かったです。現在では、毎年新しい会社、同僚、都市、そして生き方と出会っています。
今月はFTXのこれまでとこれからについていくつかの投稿を行います。それでは、これからそこまで重要ではないですが、今日リリースした機能について発表したいと思います。その機能とは、FTXの新しいログインフォームです。
ログインフォームをセクシーにするのはとても難しいです。このページに表示される「メール」のポップアップで投資を決めるVCは存在せず、オールキャップに「パスワードを忘れた場合」を載せたところで新しい顧客を獲得できるわけではありません。それでも、これはFTXにとって重要な瞬間です。なぜなら、これまではAuth0を認証に使っていたのですが、完全な自社開発システムに移行することができるからです。
ユースケースという観点では、ログインフォームはシンプルに見え、セキュリティが重要なのは言うまでもありません。そのため、ログインフォームにはプロの第三者にアウトソースするのに理想的なシチュエーションが揃っています。また、Auth0の導入はうまくいき、FTXの急速な成長に大きく貢献してきました。しかし、規模が大きくなるにつれて、欠点も見えるようになっていました。
そのうちの1つはログインフォームで何ができるのかに関して、完全なコントロールを持っていなかったことです。ユーザーネームとパスワードを入力するだけでは無関係に見えますが、パスワードをリセットするボタンはあるのか?リセットするには何を要求するか?二要素認証を失ったらどうするか?ブルートフォース攻撃に対してどのように対処するのか?などより詳細に考え始めるとコントロールを持っていることが重要なことがわかります。こういったことを実装したい時に、Auth0はそれを認めてくれるのかという壁にいつも突き当たりました。
さらに掘り下げていくと、さらに奇妙な限界にもぶつかりました。ログインフォームの IP アドレスを制御することができず、これが原因で一部の地域でラグアウトしてしまいました。これは結局大きな問題となり、唯一の解決策はAuth0を使用しないことでした。
これまで何度もサードパーティのソフトを変更できないために、実装したい機能を実装できないことが何度もありました。たとえ、システムが要望の99%を満たしていたとしても、決して最後の1%が満たされることはありません。
ここにもう一つの例があります。昨年データベースの問題が発生していました。データベース接続数の急増、書き込み遅延の増加、データベースのロードバランサーが内部リクエストを大量に拒否するなどの症状は、すべて標準的なデータベースの問題に似ていました。しかし、これはそのうちの一つではありませんでした。私たちのデータベースの負荷は問題ないように見えたのに、どこからともなく現れたのです。
では、なぜその時データベースでトラブルが発生したのでしょうか。100時間ほどかけてしっかりと調べた結果、私たちが使用しているデータベースの1つが、ある特定の情報セットをメモリの非常に小さなサブセットに割り当てていることに気付きました。すべての接続はこの情報を知る必要があり、解決されていないルックアップのたびに指数関数的に増加していました。これは、書き込みの遅延と未解決の書き込みの数を増加させ、問題を劇的に悪化させていました。何が起こっているのかを完全に理解すれば、私たちはそれをカバーすることができます。私たちはそれが間違った決定を行っているときに検出し、それを停止することができますが、私たちはまだ実際にメモリを割り当てる方法を正確に制御することはできません。唯一の真の恒久的な解決策は、この業界標準のデータベースシステムの使用を完全に止めて、独自のデータベースシステムを構築することです。
完全に頼らないといけないシステムがある場合、その全てのパーツについて理解する必要があり、そのためには自分たちで構築しないといけないと信じるようになりました。この哲学はFTXにも浸透しています。証拠金と清算に関しては、ゼロからシステムを構築し、クローバックは一度もありませんでした。担保に関しては、単一担保と分離された清算という古い概念を捨て、ユーザーが自分の残高を完全にコントロールできるようにしました。インバース先物を、リニアでクロスマージンの米ドルステーブルコイン決済先物に置き換えました。ステーブルコインをすべて一つのバケットにまとめ、ユーザーがその中の流動性を組み合わせることができるようにし、当社のOTC流動性をウォレットに直接統合しました。
そして、よく構築された製品の真の兆候の一つとして、これらのアイデアの多くが業界に伝搬し始めているのを見ることができます。多くの取引所は現在、ステーブルコインのクロスマージン先物、当社のCONVERT機能のミラー、そしてより賢明な証拠金制限の実験を行っています。当社のトークン化された製品は数十の取引所に上場されており、当社のパートナーシップは毎週のように成長しています。
私たちはまた、あまり注目されない方法で静かにプラットフォームを拡大してきました。FTXで最も過小評価されているのは法定通貨の部分だと思っています。トレーダーが、プラットフォーム上で「USD」を取得しても、それを使ってできることは、南米の銀行口座に50ドルを送金するために25%の手数料を支払うことだけだと気付いたことを覚えているかもしれません。過去1年間で、USDからEUR、ZARまで、11種類の法定通貨のサポートを追加しました。その通貨をサポートしているということは、本当にその通貨をサポートしているということで、つまり最低限の手数料で大きな額の入出金、高速決済を実現しているということです。FTXは「フェイクフィアット」をサポートすることはありません。また、時間が経つにつれ、通貨のローカルチャネルを追加しているため、高速で安価な銀行間送金を使用して数百万ドルの入出金を行うことができるようになっています。
当社では、すでにSEPA EURの入金、ほとんどの仮想通貨関連の銀行との銀行間米ドル送金、および他の通貨での国際電信送金を行うことができます。本日、FTXが新しくブラジルレアル(BRL)をサポートすることを発表いたします。BRLでスポット取引や先物取引ができるようになり、さらに重要なのは、ほぼ即時の国内銀行間送金を使用して、手数料なしで大口の入金が可能になったことです。この展開の一環として、BRZステーブルコインとの提携を発表できることを嬉しく思います。これによって、トークン、法定通貨の両方をFTXに入金し、それらで出金することも可能になりました。
Markets tabにアクセスして「FIAT」を選択し、リスト全体を見るか、ウォレットの中をチェックしてみてください。
最後に、今週中に1,000ドル以上の法定通貨を入金してくれた方の中からランダムに1名様にFTX x HTCスマホ(コールドウォレット付き)を無料でプレゼントします!
今日のところはここまでです。FTXのさらなる成長に関するアップデートを心待ちにしながら、その間はFTXの新プロダクトを確認してください。